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【春日大社】天皇陛下の行在所としても用いられた建物「着到殿」ってどんなところ?【寝殿造】

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春日大社着到殿内部

ごあんない

「春日祭」で勅使をお迎えする空間として建立

春日大社「着到殿(ちゃくとうでん)」は、春日大社の本殿にもほど近い春日大社の参道沿い、大勢の観光客が出入りする「南門」の手前に重厚な檜皮葺の屋根を広げた姿を見せる比較的大きな建物です。

この建物は、平安時代の延喜16年(916年)に建立され、その後室町時代に罹災、再建されたと言われる建物であり、毎年3月13日に行われる春日大社の例祭「春日祭」において、天皇により派遣された勅使が「着到の儀」を実施する空間として設けられたものとなっています。なお、勅使による儀式のみならず、かつては天皇行幸の際に「行在所」として用いられるなど、重要な施設として機能してきた歴史を持っています。

全体が土間となっている一方で、「寝殿造」にも酷似

建物は屋根の形などの外観については、平安時代から中世にかけての貴族の住宅建築の代表的な存在とも言える「寝殿造」に酷似したものとなっており、一方で内部の空間は儀式を実施するために開放的な造りとなっており、そもそも床面はなく、土間となっています。しかしながら、かつて休息所などとして用いられた際には床を設置したこともあるなど、柔軟な利用がなされていたことが伺えます。また、建物は南向きが正面となっていますが、段差などの関係上、東側が入母屋の葺きおろしとなっています。

着到殿は、春日大社を訪れる観光客のほとんどが目にする建物ですが、その知名度や注目度は概ね低く、この建物を見学している人はほとんど見られません。しかしながら、春日大社の祭事を行う上で重要な施設であるということのみならず、建築自体も独特の存在となっていますので、春日大社の「回廊」一帯を見学するついでに、ぜひご覧になって頂きたい存在となっています。

春日大社着到殿の風景

春日大社の参道沿いに重厚な存在感を放ちながら建つ「着到殿」。建物の正面は南向きであり、参道に面する形となっていますが、段差があるために入り口そのものは東向きとなっています。

重厚な檜皮葺の屋根の広がり方は、まさに「寝殿造」そのものと言ってもよい存在となっていますが、内部空間は儀式の場であるために「住宅」とは全く異なる構造となっています。

内部はひたすら土間が広がっており、儀式を実施するための空間として独特の雰囲気を放っています。

周辺神社・施設

春日大社本殿:北東に徒歩2分

榎本神社・砂ずりの藤:北東にすぐ

南門:東にすぐ

竈殿:北にすぐ

酒殿:北に徒歩2分

アクセス

奈良交通バス「春日大社本殿」バス停・ぐるっとバス(土日祝日・観光シーズンのみ運行)「春日大社」バス停(いずれも同じ位置)から南東に徒歩3分

春日大社着到殿周辺地図

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