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【唐招提寺】異国情緒あふれる空間「戒壇」ってどんなところ?歴史をじっくり解説!【戒壇院跡】

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唐招提寺「戒壇」

ごあんない

奈良の寺院では異色の存在

唐招提寺「戒壇」(かいだん)は、唐招提寺境内の西の端と言える位置にあり、蓮などが美しい自然豊かな環境の一角に広々とした空間を持つ巨大な仏教施設です。戒壇の施設は、現在は巨大な「石造物」と言うべき風景を生み出しており、奈良市内ではなかなか見ることが出来ない異国情緒を感じることが出来ますが、唐招提寺内では珍しく、かつての施設が失われてしまっているために「石檀」部分も含めて重要文化財、国宝等には一切指定されていない状況となっています。

「仏教戒律を授ける場所」である「戒壇」

「戒壇」という言葉は、東大寺の「戒壇院」という施設でも知られているように、「仏教」の「戒律」を出家者たちに授ける(伝授)とりわけ神聖な場所であり、戒壇においてしっかりと戒律を授けられた人物のみが、満を持してようやく「僧侶」として認められることになっています。

唐招提寺を創建した開山の祖である「鑑真和上」と呼ばれるお坊さんは、「戒律制度」があいまいであり、かなり適当な戒律伝授が行われていた奈良時代の日本の仏教界に正式かつ正確な「戒律」伝授の仕組みを導入するという大きな目的を持ち、幾度もの渡来失敗を経て日本にやってきた人物であり、実際に鑑真和上の指導の下に東大寺戒壇堂をはじめ、日本における戒律伝授の仕組みが整備されていくことになりました。

かつての「戒壇院」の遺構はわずかに「石檀」として残る

なお、この唐招提寺においては、創建当初から戒壇(戒壇院)が設置されていたという説と、唐招提寺中興の時代に入る時期である鎌倉時代の弘安7年(1284年)に初めて戒壇院が創建されることになったという説があり、戒壇に関わる正確な歴史は明らかになっていません。しかし、かつて確実に存在した「戒壇院」の建物は、近世、江戸時代末期にあたる嘉永元年(1848年)に放火による火災に伴い焼失した後は再建されることなく、現在はわずかに3段の「石壇」部分のみが残される状況となっています。

現在、「戒壇院」は失われてしまいましたが、昭和期に設置された宝塔が特徴的な巨大な石檀の見せる風景は、日本というよりは、その他アジア諸国からの仏教伝来の歴史を想像させるようなどこか異国情緒ある雰囲気を漂わせており、日本全国でも有数の規模を持つ「戒壇」施設として、唐招提寺の大きな「見どころ」となっていることには変わりありません。戒壇は「金堂」などの見学の折に、どうしても忘れてしまいがちな場所にありますが、ぜひ忘れずに見学しておきたいスポットとなっているのです。

アクセス

奈良交通バス

JR、近鉄奈良駅から「六条山」行き乗車、「唐招提寺」下車、北西に徒歩2分

近鉄西ノ京駅から北に徒歩9分

近鉄尼ヶ辻駅から南に徒歩16分

境内の近隣スポット

唐招提寺内「金堂」・「講堂」は東にすぐ、「鼓楼」・「礼堂」・「宝蔵・経蔵」は東に徒歩2分、「鑑真和上御廟」は北東に徒歩3分

唐招提寺戒壇周辺地図

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