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【東大寺】圧倒的な存在を放つ「重源上人坐像」のある「俊乗堂」ってどんなところ?歴史・みどころを徹底解説!

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東大寺俊乗堂

ごあんない

東大寺鐘楼のすぐそばにある小さなお堂

東大寺俊乗堂は、東大寺大仏殿の東側の石段を登った先にあり、「奈良太郎」として有名な「東大寺鐘楼」の真横に位置する東大寺境内の中では小さなお堂です。鐘楼の周りには「行基堂」・「念佛堂」などもあり、それらの中では俊乗堂が最も「お堂」らしい空間になっていますが、鐘楼の存在感が強いあまり、しばしば気づかずに通り過ぎてしまいやすい存在にもなっています。

お堂の建築は一見ごく普通の仏堂建築となっていますが、よく見ると「しころ屋根」と呼ばれる、屋根が2つに区切られた造りになっており、ちょっとしたアクセントを加えています。

鎌倉時代の東大寺復興に尽力した「重源」上人の功績を讃える

このお堂は江戸時代の元禄期に東大寺大仏殿と大仏様の再建に功績のあった人物として知られる「公慶」と呼ばれるお坊さまが、鎌倉時代に戦災で壊滅的な被害を受けてしまった東大寺の復興に大きな功績のあった「重源」上人というお坊さまの功績を讃えるために建立したものとなっています。なお、それまではこの場所には「浄土堂」と呼ばれるお堂があり、こちらは鎌倉時代に重源上人自らが建築したお堂であったと言われています。

重源上人は、東大寺の再建にあたり、高齢で「大勧進」と呼ばれる寄付を集めるためのリーダー的立場に就任し、多くの寄付を全国から集めました。また「技術者」として多くの職人を集め、中国の技術者である陳和卿(ちんげんけい)と協力しながら職人を指導し、再建そのものも主導していき、重源の組織力、リーダーシップにより東大寺は鎌倉時代に再び輝きを取り戻すことになったのです。

まるで本人!「俊乗房重源上人坐像」

また俊乗堂には、その建築自体はごく小さなお堂に過ぎませんが、堂内には貴重な複数の仏像が安置されています。代表的なものとしては、国宝である「重源」上人本人をかたどった「俊乗房重源上人坐像」があり、これは重源の死後13世紀に制作されたもので、作者の詳細は判明していませんが、運慶一門の作とも言われています。

なお、その表情や痩せこけた風貌は「像」ではなく「本人」と対面しているように錯覚してしまうほどで、半ば作者の狂気的な才能すら感じさせる圧倒的な存在感を見せています。

金色の輝き!「阿弥陀如来像」

また、堂内には快慶作と伝えられる阿弥陀如来像もあり、こちらは800年ほど昔の作品とは思えない金色の輝きを現在にとどめています。この像を巡っては、浄土真宗の開祖である親鸞聖人がこの像を気に入り、京都に持ち帰ろうとしたのを東大寺の僧侶が妨害する目的で足に「釘」を打ち込んだというエピソードが残されているほどで、いずれの貴重な仏像も、東大寺の仏像の中でも非常に保存状態がよく、美しいものであるという特徴を持っています。また、このほかにも「愛染明王坐像」も安置されています。

拝観は年2回のみ

なお、俊乗堂は通常時は拝観は不可能であり、上記のような仏像は例年は毎年7月5日に実施される法要「俊乗忌」と、12月16日の「良弁忌」に限り特別に公開されています。見る機会が数少ない上、仏像ファンには非常に人気の存在ともなっていますので、当日は比較的多くの拝観者が訪れます。

東大寺俊乗堂の風景

早朝の東大寺俊乗堂

鐘楼や複数のお堂が立ち並ぶ「鐘楼ヶ丘」の一角にある俊乗堂の建物。年2回の特別公開を除き基本的に扉は閉ざされており、鐘楼があるにも関わらず周辺を通る観光客の数もそれほど多くはありませんので、ひっそりとした風情が特徴となっています。

東大寺俊乗堂の扉と扁額

東大寺俊乗堂の案内板

拝観情報

拝観日・時間

毎年7月5日(俊乗忌)・12月16日 11時~16時(※平成29年度に限り7月1日~31日の1か月間特別公開が実施されました。)

拝観料

500円

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「山村町」・「藤原台」・「奈良佐保短期大学」・「春日大社本殿」行き乗車、「東大寺大仏殿・春日大社前」下車、北に徒歩10分

・JR、近鉄奈良駅から「青山住宅」・「州見台八丁目」行き乗車、「今小路」下車、東に徒歩10分

近鉄奈良駅から北東に徒歩22分

JR奈良駅から北東に徒歩35分

近隣スポット

東大寺鐘楼(奈良太郎)から北西にすぐ、行基堂から西にすぐ、念佛堂から北西にすぐ、大湯屋から南にすぐ、三月堂(法華堂)から西に徒歩3分、四月堂から西に徒歩3分、二月堂から西に徒歩4分、東大寺大仏殿から東に徒歩4分

東大寺俊乗堂周辺地図

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