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【興福寺】高さ50メートルに及ぶ「興福寺五重塔」の歴史やみどころを徹底解説!内部はどうなってるの?

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奈良観光の拠点「興福寺五重塔」

ごあんない

場所・概要

興福寺五重塔は、近鉄奈良駅からごく近い位置にあり、奈良公園や春日大社へのアクセスルート上にも位置する奈良を代表する寺院「興福寺(こうふくじ)」の伽藍を代表する仏塔建築です。

奈良市内唯一の五重塔として、奈良のランドマーク的存在となっている五重塔は、市内の各地からもその姿を見ることができるなど、観光客のみならず、市民からも愛される存在で、その知名度は東大寺大仏殿に負けずとも劣らないものになっています。

様式・規模(高さなど)

興福寺五重塔は、塔の高さは50.1メートルに及び、日本の仏塔としては京都、東寺の五重塔に次ぐ規模を誇り、奈良県内における建築物の中でも最も高い建築物の一つとなっています(創建当初の塔は45メートルほど)。

また、初層(1階部分)部分は8メートル四方と、広々とした空間となっており、興福寺にあるもう一つの塔「三重塔」と比べると非常に大きな建築物となっています。

建築様式としては、現在の塔が室町時代に再建されたものであるため、中世らしい豪快さを持ち合わせた建築となっていますが、軒の出に深みがあるなど奈良時代の創建時の五重塔の様式を随所に残した復古主義的なものにもなっています。

ちなみに、外から見ると五重塔は、5つの層(階)に分かれているように見えますが、実際に内部から見ると、初層(1階部分)を除いては全くの「空洞」になっており、中心に伸びる「心柱」という巨大な柱を軸とする形で、5層(階)部分まで吹き抜けの空間になっています。

その他塔の外側には、奈良時代に造られた「燈籠を乗せる台」である「燈籠基台」が現在も残されており、奈良時代にまでさかのぼるものとしては日本唯一のものとなっています。

歴史

五重塔の歴史は古く、奈良時代興福寺が藤原家の氏寺として発展を遂げる中、有力貴族である藤原不比等の娘であり、かつ聖武天皇の妻である光明皇后」の発願天平2年(730年)に創建されたことにその歴史は始まります。当初の塔には各層(階)には水晶の小塔と「垢浄光陀羅尼経(くじょうこうだらにきょう)」が設置されていたほか、初層(1階部分)には仏画(曼荼羅)が飾られており、東に薬師浄土変、南に釈迦浄土変、西に阿弥陀浄土変、北に弥勒浄土変が設置されていました。

塔はその後5回に渡り焼失と再建を経て、現存の塔は室町時代、応永33年(1426年)頃に再建された5代目の塔となっています。

なお、室町時代に再建された現在の五重塔は、その他の奈良市内の寺院の多くが、再建の際に従来よりも小さな規模の建物を再建する中で、創建当初の塔よりもむしろ高い塔として再建された貴重な存在となっています。

その他五重塔を巡る逸話としては、明治維新後の廃仏毀釈に伴う苦難の歴史が奈良市の歴史を語る上で大変有名で、「25円」で売却に出されて解体寸前の所までいったというような、現在の象徴的地位からは想像できないような歴史も有しています。また戦後しばらくの時期までは五重塔の上部が「展望台」のような形で有料で開放され、奈良市街地を眺めることができたとも言われ、実際に五重塔から撮影した写真が残されています。

仏像

「五重」にわたる建築のうち、一番下部に位置する初層の内部に設けられた須弥壇には、東には薬師三尊像(月光菩薩・薬師如来・日光菩薩)、西には阿弥陀三尊像(勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩)、南には釈迦三尊像(普賢菩薩・釈迦如来・文殊菩薩)、北には弥勒三尊像(大妙相菩薩・弥勒如来・法苑林菩薩)が安置されています。

曼荼羅風に配置された仏さまは優しげな表情をされるものが多く、見る者を穏やかな気分にさせる一方、圧倒的な存在感を放つ唯一無二の存在となっています。

早朝やライトアップされた夜間の風景もおすすめ!

奈良観光の象徴である五重塔周辺は年間を通して常に大勢の観光客で賑わっており、人出の多い連休には観光客が歩いて巻き上げる砂ぼこりが舞い上がるほどの大盛況ぶりですが、早朝の時間帯に限っては凛とした空気に包まれており、静かな「奥行き」を感じながら五重塔の風景を味わって頂けます。

また夜間にはライトアップが実施されており、夜10時頃までは闇夜に浮かび上がる圧倒的な姿を眺めて頂けるようになっています。このほか「燈花会」の時期にはろうそくの光が一面に広がる中で、ライトアップされた興福寺を楽しんで頂くことも出来ます。

特別拝観について

興福寺五重塔は、興福寺で最も有名な建物ではありますが、基本的には内部の拝観・立ち入りは一切できません。

しかしながら、三重塔の特別拝観の日程と合わせるような形で、興福寺五重塔の仏像が安置されている「初層」の空間のみ特別公開される場合があります。

なお、三重塔や南円堂については毎年決まった日程に特別公開、拝観可能となっている一方で、五重塔については不定期かつ数年間に渡り特別公開が行われない場合もあるなど、「特別公開」が行われる場合があるとは言え、そのスケジュールがあらかじめ定められている訳ではありません(これまでの傾向としては2年~3年に1度、秋季に実施される場合が多くなっています)。その意味では興福寺の特別公開は、興福寺の中でも最も「希少」な存在と言え、実際に公開が行われるような場合には平日であっても大変多くの観光客で混雑することになります。

興福寺五重塔のみどころ・風景

全体像

大勢の観光客でにぎわう興福寺五重塔

年間を通して日本人、外国人を問わずあらゆる観光客の方で常ににぎわいを見せる五重塔周辺。「シャッターチャンス」としては、日差しが塔の正面に当たる午後以降がおすすめで、とりわけ夕焼けに照らされて輝く五重塔の姿は時代を超えた価値を一層感じさせるものとなっています。

東金堂と南北に並び立つ五重塔(興福寺)

五重塔は、北側すぐの位置に「東金堂」と並ぶような形で建っており、似たような色合いの重厚な建築の共演は奈良を代表する風景となっています。なお、平成30年10月末以降は、この近くに朱色が美しい「中金堂」もお目見えすることになります。

真下から望む

真下から望む興福寺五重塔

全体の美しさを味わいたいのならば、離れたところから見るのがおすすめですが、圧倒的な五重塔の規模、質感を感じるためにはやはり近づくのが一番です。五重塔は基壇周辺に立ち入ることは出来ませんが、ほぼ真下から塔の姿を望んで頂くことは可能となっています。

初層(1階部分)

五重塔の近くからは、塔の1階部分である「初層」の構造もしっかりと見て頂けるようになっています。この内部には「心柱」を中心として東西南北それぞれの位置に仏さまが安置されており、数年に1回の特別公開ではそれを拝観して頂けるようになっています。

相輪

奈良・興福寺五重塔の「相輪」

塔の上に設けられた「相輪」。これは一見避雷針のように見えますが、実際は仏教建築上において重要な構造物となっており、一番上にある丸い「宝珠」は、「仏舎利(釈迦の遺骨)」をおさめるためのものであるとされています。

おまけ

散水される興福寺五重塔

こちらは、奈良県庁屋上から防火訓練と思しき「散水」作業を捉えた風景。周辺の眺めを見渡すと、奈良のまちなみの中でも五重塔の規模、存在感の大きさがよくわかります。

アクセス

各駅からのアクセス

近鉄奈良駅から南東に徒歩5分

・近鉄奈良駅からは「行基像」のある広場を起点に、バス通り沿いを東に進み、途中「奈良県庁」の近くからは「興福寺」の表示に従い石が敷かれた道を南に進むと、五重塔・東金堂の正面の広場に到着します。また「東向商店街」を南に進み、商店街の中央部から東に伸びる坂道を道なりに進むルートでも、興福寺の境内地、五重塔方面へアクセスすることが可能です。

JR奈良駅から東に徒歩15分

・JR奈良駅東口から「三条通り」沿いをひたすら東に進み、「猿沢池」を横目に見ながら坂道を登りきると、北側に五重塔が見えてまいります。

奈良交通バス

JR奈良駅から「市内循環外回り」・「山村町」・「藤原台」・「春日大社本殿」・「天理駅」・「下山」・「窪之庄」・「青山住宅」・「州見台八丁目」・「県庁前」行き乗車、「県庁前」下車、南に徒歩3分

近隣スポット

周辺は奈良公園一帯、東金堂から南にすぐ、南円堂から東に徒歩2分、猿沢池から北東に徒歩2分、奈良県庁から南に徒歩4分、奈良国立博物館から西に徒歩5分、奈良ホテルから北西に徒歩7分、東大寺大仏殿から南西に徒歩15分

興福寺五重塔周辺地図

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