穴場観光スポット

【奈良公園】誰も気づかない小さな水辺「雪消沢古跡」ってどんなところ?【飛火野】

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雪消沢古跡

ごあんない

「飛火野」の端にある注目されにくいスポット

雪消沢古跡(ゆきげのさわ)は、奈良公園内で最も広々とした芝生が広がる「飛火野(とびひの・とぶひの)」の北西端、市内循環バス「春日大社表参道」バス停のほど近くに位置する、周囲から湧き上がってきたごく浅い地下水である「伏流水」が溜まって生み出されたごく小さな水辺です。

正直なところ見た目からはそれほど重要なスポットである印象は受けず、その印象はどちらかと言えば巨大な「水たまり」のようなものとなっています。すなわち決して一定の規模を有する「池」や「沼」とは言えないようなこぢんまりとした水辺となっているわけですが、古い時代には早春の雪解けの時期にに行われた「摘草(つみくさ)※野原で若菜や草花を摘み取ること」の名所として知られており、現在もその痕跡を示すように水たまりの中央部付近に「雪消沢古跡」と記されたごく小さな石碑が建てられています。この石碑はバスの車内などからもよく見えますので、雪消沢の場所は探すまでもなく確認することができます。

かつての「歌枕」です

雪消沢は、そのような「摘草」を行うことから和歌に詠まれる地である「歌枕」としても知られており、例えば平安時代の崇徳上皇により

春来れば雪消澤に袖たれて まだうらわき若葉をぞつむ(春日野にある雪解け水が流れ込む沢に袖を垂れて、一生懸命に君のために小さな芹を摘みます)

という和歌によりその風景がうたわれています。なお、現在の奈良は雪が降ることはまれで、雪解け水が流れ込む風情を感じる機会はめったにありません。

人通りの多いエリアの近くに位置していますが、単なる水たまり、湿地のようにも見えることから観光客にはあまり見向きされることもなく、飛火野に戯れる鹿たちが水浴びをするような場所となっているくらいで、一般には余り知られない存在となっています。しかし、「歌枕」としてさりげなく歴史を示す雪消沢古跡は、単なる遺跡としてではなく、今も実際に水をたたえる形でひっそりと残っています。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR、近鉄奈良駅か「市内循環外回り」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「春日大社表参道」下車すぐ

※バス停・雪消沢付近は歩道がなく、道路と飛火野が直接隣り合わせになるようになっていますので、クルマの往来には十分ご注意ください。

近鉄奈良駅から東に徒歩20分

JR奈良駅から東に徒歩30分

近隣スポット

一帯は奈良公園・飛火野エリア、浅芽ヶ原・片岡梅林から東にすぐ、奈良国立博物館から南東に徒歩5分、浮見堂から北東に徒歩5分、春日大社本殿から西に徒歩10分、東大寺大仏殿から南に徒歩10分

雪消沢古跡周辺地図

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